前年度から投資を続けたフルカラーでのプリントサービスが実際の受注として実を結び、大幅な増収増益に。市場動向としては未だ2019年比95%程度と新型コロナウイルスの社会活動に対する影響が残っていたものの、先行して取り組んだ設備投資が同業他社との差別化につながり、売上高・売上総利益率・純利益ともに過去最高を記録した。

 新型コロナウイルスが社会活動に及ぼす影響が残る中、前年に借入れた融資の元本返済が始まることから「売上の上昇」「売上総利益率の上昇」を条件にスタート。市場の動きとしては2019年比85%程度であるものの、競合会社が事業縮小に動くことを見越して設備投資を進め、一層の短納期化による差別化に成功した。ただし、2020年度から続く市場縮小の影響が強く残った1月から4月の損失約1億2000万円が響き、売上高では前年比150%(約14億7000万円)を確保するものの純損失は3,800万円となった。

 新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、2月後半に臨時休校要請が発表されてから7月までは特に前年を大きく下回る業績で推移。内製化率の上昇によって競争力を高めるため設備投資を先立って行っていたこともあり、固定費が増加した状態でコロナ禍による社会活動停止の影響をまともに受けた。9月以降は受注回復の傾向を見せたものの、最終的に売上高は前年比77.5%、約3億円の減収となり、13000万円の純損失は創業以来最悪の業績となった。企業として存続できたのは、日本政策金融公庫を中心とした金融機関からおよそ27000万円の融資を受けられたことによるものである。なお、この年はグループ全体で40名もの退職者(拠点閉鎖含む)が出たことも特筆すべき事態であった。